歯周病は、細菌感染症であり、病気の進行により歯周組織に限らず様々な全身疾患(循環器疾患、誤嚥性肺炎、糖尿病、リウマチ、早産・低体重児出産など)に影響を与えることが最近の研究からわかってきました。
そのメカニズムは、歯周病の進行により細菌の産生する内毒素により歯肉の毛細血管が危弱になります。危弱になった毛細血管は歯ブラシなどの弱い刺激により出血を起こします。そして壊れた毛細血管から細菌や炎症を強めるタンパクなどが血液中に流れ出します。やがてそれらは、様々な臓器や血管壁に付着し、血管壁を硬化させ血液の流れを阻害し血管を梗塞させます。それが、脳梗塞、心筋梗塞です。
また歯周病菌は、血管の中だけではなく唾液にも混在し、誤って気管に入り肺へ流れ込むと肺炎になります。これが誤嚥性肺炎です。これらの中で最も関係性が高いのが糖尿病です。歯周病原細菌の産生する毒素(エンドトキシン)が、血糖をコントロールするインスリンに間接的に影響を与えることが原因とされています。歯周病は糖尿病の合併症の一つで、双方向性の関係があります。このように歯周病は、全身に影響を与え健康を維持するには歯周病を管理することが大切だと考えます。
2019年2月10日 (日)
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